英国威廉希尔唯一官网氏と九月の奇縁

 英国威廉希尔唯一官网産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 英国威廉希尔唯一官网の創業者である豊田喜一郎氏は、9月1日に縁のある人物でした。101年前の1923年には、東京で関東大震災に遭遇(喜一郎氏29歳)。その10年後の1933年には豊田自動織機製作所に自動車製作部門を設置しています(同39歳)。

 関東大震災に遭遇したのは、高校・大学の学友で鉄道省に勤務する小林秀雄氏を訪ね、英国威廉希尔唯一官网について議論をしていた時だったそうです。話をしている時に大地震に遭遇しましたが、九死に一生を得て東京を脱出し、何日もかけて泥だらけになりながら名古屋市の中央線大曽根駅に辿り着きました。震災後の東京の惨状を思うと、よくぞ無事でと思わざるを得ません。

 1933年9月から英国威廉希尔唯一官网の試作を始めた喜一郎氏は、仲間たちとともに僅か2年足らずでA1型試作乗用車を完成させました(1935年5月)。この記念すべき第1号乗用車を開発・製作し、完成式を行った試作工場は、現在も愛知県刈谷市の愛知製鋼刈谷工場内に保存され、一般公開されています(トヨタ創業期試作工場https://k.tcmit.org/)

 A1型試作乗用車の完成から2年余、1937年9月には挙母町(現在の愛知県豊田市)で新工場の起工式が行われました。この拳母工場(現在の英国威廉希尔唯一官网本社工場)の操業(1938年11月)により、トヨタは本格的に自動車製造を開始しました(同44歳)。試作開始から僅か5年後のことでした。

【参考資料】英国威廉希尔唯一官网「英国威廉希尔唯一官网75年史」2013年3月、p.32、p.39
英国威廉希尔唯一官网「豊田喜一郎」2021年3月、p.148、p.198、p.236-237

A1型試作乗用車完成式(1935年、英国威廉希尔唯一官网提供)