館長コラムバックナンバー | トヨタ産業技術記念館 モノづくりの楽しさいっぱい! 子供から大人まで楽しめる参加型のおもしろ博物館。全天候型、バリアフリー、無料駐車場完備、トヨタ産業技術記念館 Mon, 30 Sep 2024 23:45:44 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.6.2 2024年10月の館長コラム /information/message/2024/10/53728 Mon, 30 Sep 2024 23:44:31 +0000 /?p=53728 「FUN TO DRIVE」企画展がスタート  トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。  トヨタ自動車は、1984年から1987年まで「FUN TO DRIVE(ファン トゥ ドライブ)」を企業スローガンとしていまし […]

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「FUN TO DRIVE」企画展がスタート

 トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 トヨタ自動車は、1984年から1987年まで「FUN TO DRIVE(ファン トゥ ドライブ)」を企業スローガンとしていました。新型車のテレビCMの最後にこのスローガンが表示され、当時ナレーションを担当されていた石坂浩二さんの柔らかな声が、今でも耳に残っています。

 FUN TO DRIVEは直訳すると「運転する楽しさ」。クルマは、単なる目的地までの移動手段や輸送手段ではなく、運転そのものを楽しく感じる相棒であり、そのような「愛車」とともに人生を豊かにするお手伝いがしたい、という思いが込められていたように思います。

 今月(2024年10月)から当館では、FUN TO DRIVEをテーマとした企画展を自動車館で開催します。昨年10月から4回連続で開催予定の「自動車開発の歴史と未来」企画展の第3回で、これまで開催した「環境技術」「安全技術」とは趣を異にして、「操る楽しさを生み出すクルマづくり」の変遷について、様々な角度からご紹介します。

 企業スローガンの開始から40年。創業期から脈々と受け継がれてきたエンジニアの情熱と、技術開発の進化をご覧になると、きっと「クルマを気持ち良く走らせたい!」って思っていただけると思います。是非、愛車に乗ってご来館ください。

 

「自動車開発の歴史と未来」第3回企画展タイトルパネル

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2024年9月の館長コラム /information/message/2024/09/53474 Sat, 31 Aug 2024 22:00:36 +0000 /?p=53474 豊田喜一郎氏と九月の奇縁  トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。  トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏は、9月1日に縁のある人物でした。101年前の1923年には、東京で関東大震災に遭遇(喜一郎氏29歳)。その […]

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豊田喜一郎氏と九月の奇縁

 トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏は、9月1日に縁のある人物でした。101年前の1923年には、東京で関東大震災に遭遇(喜一郎氏29歳)。その10年後の1933年には豊田自動織機製作所に自動車製作部門を設置しています(同39歳)。

 関東大震災に遭遇したのは、高校・大学の学友で鉄道省に勤務する小林秀雄氏を訪ね、自動車について議論をしていた時だったそうです。話をしている時に大地震に遭遇しましたが、九死に一生を得て東京を脱出し、何日もかけて泥だらけになりながら名古屋市の中央線大曽根駅に辿り着きました。震災後の東京の惨状を思うと、よくぞ無事でと思わざるを得ません。

 1933年9月から自動車の試作を始めた喜一郎氏は、仲間たちとともに僅か2年足らずでA1型試作乗用車を完成させました(1935年5月)。この記念すべき第1号乗用車を開発・製作し、完成式を行った試作工場は、現在も愛知県刈谷市の愛知製鋼刈谷工場内に保存され、一般公開されています(トヨタ創業期試作工場https://k.tcmit.org/)

 A1型試作乗用車の完成から2年余、1937年9月には挙母町(現在の愛知県豊田市)で新工場の起工式が行われました。この拳母工場(現在のトヨタ自動車本社工場)の操業(1938年11月)により、トヨタは本格的に自動車製造を開始しました(同44歳)。試作開始から僅か5年後のことでした。

【参考資料】トヨタ自動車「トヨタ自動車75年史」2013年3月、p.32、p.39
トヨタ自動車「豊田喜一郎」2021年3月、p.148、p.198、p.236-237

A1型試作乗用車完成式(1935年、トヨタ自動車提供)

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2024年8月の館長コラム /information/message/2024/08/53116 Wed, 31 Jul 2024 15:00:29 +0000 /?p=53116 暑さを緩和する「壁面緑化」の技法  トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。  ヒートアイランド現象緩和のための「緑のカーテン」が一般的になったのは、30年ほど前からでしょうか?夏季に植物で窓や建物を覆う緑のカーテンは […]

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暑さを緩和する「壁面緑化」の技法

 トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 ヒートアイランド現象緩和のための「緑のカーテン」が一般的になったのは、30年ほど前からでしょうか?夏季に植物で窓や建物を覆う緑のカーテンは、環境技術としては「壁面緑化」の技法です。ちなみに中部電力は1992年から「緑のカーテンキャンペーン」を実施しており、2006年には東京都が「壁面緑化ガイドライン」を定めました。

 壁面緑化には、壁面に付着型の植物を植栽する「直接登攀(とうはん)型」、壁面にネットなどを設置し巻き付き型のツル性植物を絡ませる「巻き付き登攀型」、壁面上部にプランターを設置し下垂型植物で壁面を覆う「下垂型」など様々な技法があります。当館では数年前から「動力の庭」に面する自動車館までの通路に沿ってゴーヤ(苦瓜)をプランターに植えた「巻き付き登攀型」のカーテンを設置しています。本年は5月7日に植栽しており、酷暑が予想される8月に日差しを和らげてくれることを期待しています。

 緑のカーテンは、遮光によって室内の温度上昇を抑えるだけではなく、葉から蒸散(水蒸気を排出)することで周囲の熱を奪うため、涼しい風が流れ込むようになります。ツルの適切な配置や手入れ、散水など、それなりに維持管理は大変ですが、季節感豊かな情景は他にはない魅力があります。真夏の風物詩として、当館も続けていきたいと思います。

【参考資料】東京都環境局「壁面緑化ガイドライン(概要版)」2006年3月発行

トヨタ産業技術記念館の「緑のカーテン」(2024年7月撮影)

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2024年7月の館長コラム /information/message/2024/07/52760 Sun, 30 Jun 2024 15:00:42 +0000 /?p=52760 新紙幣に見る印刷技術と匠の技  トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。  20年ぶりに紙幣(日本銀行券)のデザインが変更され、今月3日から発行されることになりました。一万円札の肖像は実業家の渋沢栄一、五千円札は女子教 […]

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新紙幣に見る印刷技術と匠の技

 トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 20年ぶりに紙幣(日本銀行券)のデザインが変更され、今月3日から発行されることになりました。一万円札の肖像は実業家の渋沢栄一、五千円札は女子教育家の津田梅子、千円札は細菌学者の北里柴三郎に変更になるほか、偽造抵抗力確保のため、さまざまな新しい印刷技術が導入されています。

 国立印刷局や日本銀行によると、新紙幣の主な特徴は「偽造防止技術」と「ユニバーサルデザイン」の二つです。偽造防止技術としては、額面文字を高く盛り上げる深凹版技術、高精細な「すき入れ(透かし)」や、回転する3Dホログラムなどを導入。ユニバーサルデザインとしては、額面数字の大型化や指感性に優れた識別マーク、券種ごとに異なる形状・位置のすき入れなどです。
 また、肖像についても、専門職員である工芸官が手彫りで彫刻しており、1ミリの幅に10本以上の線で陰影や質感を表現する「匠の技」を実用技術として活用しているそうです。

 当館でも新紙幣の流通に対応し、総合案内カウンター前の入場チケット販売機を、今月8日に更新します。キャッシュレス化が進む昨今ですが、新紙幣で印刷技術と匠の技を体感できることを楽しみにしています。

 【参考資料】国立印刷局ウェブサイト https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/

新一万円札のデザイン(国立印刷局ウェブサイトより)

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2024年6月の館長コラム /information/message/2024/06/52379 Fri, 31 May 2024 15:00:50 +0000 /?p=52379 当館の創業期 ~開館30周年に寄せて~  トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。  当館は今月、開館30周年を迎えました。トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎氏の生誕100周年である1994年6月11日に一般公開を開始し […]

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当館の創業期 ~開館30周年に寄せて~

 トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 当館は今月、開館30周年を迎えました。トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎氏の生誕100周年である1994年6月11日に一般公開を開始した当館は、本年5月末時点で累計720万人以上のお客様にご利用いただきました。心からお礼をお申し上げます。加えて感謝を伝えたいのは、当館の開館準備段階から現在までの歴代事務局と運営スタッフの皆さんです。

 私は2021年1月に第7代館長に就きましたが、それまでの館の歴史を知りたいと思い、翌22年に6人の歴代館長にお会いし、当時のお話を伺いました。幸い全員ご健在で、資料や写真を見せて頂きながら、さまざまなエピソードを聞かせて頂きました。

 中でも、開館の2年前(1992年1月)から準備事務局のリーダーを務めた齋藤謹吾初代館長のお話は、まさに創業期の苦労そのものでした。あえて館名からトヨタを外してモノづくりの記念館を作ろうとしたこと、開館が迫る中で「見えない綱の上を渡る」ように準備を進めたことなど、当事者しかお話頂けないような内容ばかりでした。その際に頂いた写真が、下の集合写真です。当時の緊張感が伝わってくるように思います。

 余談ですが、歴代館長のうち数名から「なぜ館名にトヨタを付けた」とお叱りを受けました。館名が現行に変更されたのは20周年の年(2014年)で、私が決めたわけではないのですが、甘んじてご指導をお受けしました。当館開館に至る熱い思いは、しっかりと受け継いでまいります。

産業技術記念館(当時)の準備事務局の方々
(1994年1月撮影、齋藤謹吾初代館長提供)

 

 

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2024年5月の館長コラム /information/message/2024/05/52196 Tue, 30 Apr 2024 15:00:31 +0000 /?p=52196 自然から学ぶ、生物模倣の技術 トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。 5月に入り、新緑の季節を迎えました。日本では古来より自然とともに生きる暮らしが受け継がれてきましたが、自然界の巧みなメカニズムやシステムを学び、現 […]

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自然から学ぶ、生物模倣の技術

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

5月に入り、新緑の季節を迎えました。日本では古来より自然とともに生きる暮らしが受け継がれてきましたが、自然界の巧みなメカニズムやシステムを学び、現代の技術として活用する考え方が「生物模倣(バイオミメティクス)」です。

例えば、500系新幹線の先端デザインは、カワセミの鋭い流線型のくちばしにヒントを得た形状ですし、そのパンタグラフ(集電装置)の低騒音走行技術は、闇夜を音もなく飛び回るフクロウの、羽にあるセレーション(鋸歯状の羽毛)の構造を応用したものです。

トヨタグループが主要な拠点を構える愛知県では、多くの企業や団体が里山の保全に取り組み、フクロウやムササビなど生物多様性に資する森づくりが熱心に進められています。自然と技術は対立するものではなく、ともに持続可能な社会づくりに貢献するものでしょう。青葉繁る中で、自然からの学びに思いを馳せたいと思います。

【参考資料】
石田秀輝・下村政嗣『自然にまなぶ!ネイチャー・テクノロジー』学研パブリッシング、2011年
トヨタの森ウェブサイト https://toyotanomori.gazoo.com/posts/15477653

巣立ち直後のフクロウの幼鳥(愛知県豊田市、2016年6月撮影)

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2024年4月の館長コラム /information/message/2024/04/51836 Sun, 31 Mar 2024 15:00:23 +0000 /?p=51836 日本の桜とモノづくり トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。  2024年は桜の開花が遅れ、ここ数年では珍しく満開の時期が4月となりました。国立国会図書館のウェブサイトによると、桜には現在300種以上の品種があります […]

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日本の桜とモノづくり

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

 2024年は桜の開花が遅れ、ここ数年では珍しく満開の時期が4月となりました。国立国会図書館のウェブサイトによると、桜には現在300種以上の品種がありますが、日本で目にする7~8割はソメイヨシノとされています。ソメイヨシノの誕生は江戸時代後期で、全国に広がったのは明治以降でした。増やしやすさや育てやすさ、花が咲き終わってから葉が出る性質、一斉に咲いて散るという特徴が好まれ、日本各地に植えられたそうです。

 江戸時代から明治時代は、日本のモノづくりにとっても重要な時期です。日本の産業技術史研究をリードする鈴木一義氏は、平和が長く続いた江戸時代に培われ受け継いできた風土は、日本の産業に独自の文化を形成したと指摘しています。技術を独占することなく、切磋琢磨しつつ、共存を図ろうとする考え方は、企業の利潤や規模拡大の追求よりも、人のため、地域のため、社会のため、という日本のモノづくりの基本に影響を及ぼしていると言えるようです。

 当館では今月以降、さまざまな企画展を連続で開催いたします。桜をはじめとする季節の花々を愛でつつ、開館30周年の当館の催しを是非お楽しみください。

【参考資料】
国立国会図書館ウェブサイト 本の万華鏡 江戸の花見~春爛漫~
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/9/2.html
鈴木一義「日本の『モノづくり』文化」『日本機械学会誌』 2015年、Vol.118、No.1156、p.10-1

咲き誇るソメイヨシノ(東京都世田谷区、2023年3月撮影)

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2024年3月の館長コラム /information/message/2024/03/51549 Thu, 29 Feb 2024 15:00:42 +0000 /?p=51549 後方支援のリーダーシップ トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。 東日本大震災から今月で13年。震災の年(2011年)からトヨタグループが岩手県で実施した復興支援活動を、一貫して支えていただいた恩人のひとりが、同県住 […]

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後方支援のリーダーシップ

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

東日本大震災から今月で13年。震災の年(2011年)からトヨタグループが岩手県で実施した復興支援活動を、一貫して支えていただいた恩人のひとりが、同県住田(すみた)町の町長を務めておられた多田欣一さんです。災害ボランティア宿泊施設のご提供だけではなく、時にご自宅で町の皆さんとの交流会を催していただくなど、細やかなお心遣いをいただきました。2015年にトヨタの豊田章男社長(当時)が住田町に伺った際にも、町内の仮設住宅団地で入居者の皆さんとの交流を図っていただき、支援活動の継続につながりました。

住田町は、地震と津波で大きな被害を受けた陸前高田市と大船渡市に隣接する、農林業中心の町です。この2市1町は「気仙地域」として歴史的に関わりが深いことから、山あいにあって津波の被害を免れた住田町が、両市の後方支援に立ち上がりました。その中心になったのが、当時町長であった多田さんです。多田さんは、町民の安否確認と災害弱者の安全を確保した後、甚大な被害を受けた両市への救援物資輸送や炊き出しを主導。そして後に全国に知られた「一戸建て木造仮設住宅」の建設を卓越したリーダーシップで実現し、被災された方々の生活再建に尽力されました。

多田さんは2017年に、4期16年務めた町長職から勇退されました。未曽有の災害に対し、時として行政の常識にとらわれず即断即決で後方支援を推進した指導力は、長く語り継がれるでしょう。多田さんは、当時の失敗談を含めて同年に著作(木下繁喜氏と共著)をまとめておられます。本年1月の能登半島地震からの復旧・復興にも、この後方支援の知見が大いに役立つと信じます。

【参考文献】多田欣一・木下繁喜『東日本大震災 住田町の後方支援』2017年、はる書房

後方支援を指揮した多田欣一住田町長【写真左】

(住田町役場、2011年5月撮影)

 

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2024年2月の館長コラム /information/message/2024/02/51210 Wed, 31 Jan 2024 15:00:42 +0000 /?p=51210 ミュージアムの新しい可能性を探る トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。 北海道大学大学院の博物館学研究室は、ミュージアムについて先駆的な研究と実践を行い、多くの優秀な研究者や実践者を輩出している組織として、以前から […]

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ミュージアムの新しい可能性を探る

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

北海道大学大学院の博物館学研究室は、ミュージアムについて先駆的な研究と実践を行い、多くの優秀な研究者や実践者を輩出している組織として、以前から個人的に注目していました。その研究室が、2022年度から3年間のプログラムとして取り組んでいるのが「プラス・ミュージアム・プログラム」です。

博物館や美術館など社会教育に資する施設の総称がミュージアムですが、従来の調査・研究や展示、教育・普及などに加えて、現在では観光やまちづくり、人々の幸福や社会包摂などへの貢献が求められています。他分野との連携・協働が不可欠となっている中で、社会的課題解決の結節点としてのミュージアムを実現するための人材の育成を、このプログラムは目指しているわけです。                                                                                                                                                 

2年目となった2023年度では、ミュージアムと観光の関わりを評価する少人数制のワークショップも行われ、私も縁あって昨年から参加させていただきました。そこでは、ミュージアムには時間軸と空間軸の中で、関わりのある人ならびに所在する地域の両方を変化させ、社会の持続可能性に貢献できるという学びを得ることができました。2024年度には3年目のプログラムが行われる予定です。興味のある方は、下記のウェブサイトをフォローしてみたらいかがでしょうか。

 

北海道大学「プラス・ミュージアム・プログラム」

https://www.let.hokudai.ac.jp/general/plusm

 

 

 

 

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2024年1月の館長コラム /information/message/2024/01/50857 Sun, 31 Dec 2023 15:00:01 +0000 /?p=50857 開館30周年を迎えて トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。 新しい年を迎えました。当館にとって2024年は、開館30周年を迎える節目の年となります。昨年10月には、開館以降の累計入館者数が700万人に達しました。こ […]

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開館30周年を迎えて

トヨタ産業技術記念館 館長の大洞和彦です。

新しい年を迎えました。当館にとって2024年は、開館30周年を迎える節目の年となります。昨年10月には、開館以降の累計入館者数が700万人に達しました。これまで当館にお越しいただいたお客様、開館から運営を支えていただいた関係の方々に、あらためてお礼を申し上げます。

当館2021年12月にミッションを再定義し、現在は「モノづくりの歴史から未来を展望する学びの館」をめざして諸活動を展開しております。博物館としての活動を通じて、社会の持続可能性ならびに人々のウェルビーイングの実現に少しでもお役に立ちたいと考えております。

本年は具体的な活動として、開館30周年の学びの館に相応しい企画展を連続で実施いたします。豊田佐吉翁や豊田喜一郎氏が発明し、世界最高性能(当時)とされたG型自動織機の完成から100周年となることを記念した「魔法の織機」企画展を今夏に繊維機械館で開催予定です。また、自動車館では現在、開発技術の歴史と未来をテーマにした第1回企画展(環境技術)を開催中ですが、春には第2回(安全技術)、秋には第3回(テーマ検討中)の企画展を予定しています。

なお、本年4月から開館以来初となる入場料の改定を予定しています。大人(65歳以上含む)料金を値上げし、大学生以下は据え置かせて頂くことになりますが、ご理解を頂ければと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

トヨタ産業技術記念館 開館30周年記念ロゴ

 

 

 

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